蟻組の作り方① メス形編
目次
蟻組について
蟻組は日本の伝統的な組手の技法のひとつです。
板同士を接合するときに用いる技法です。
雄と雌お互いに連続する切り込みを入れて嵌め込みます。
切り込みに角度を付けることにより、締まり勾配になり抜けにくくなると共に、剛性も良くなります。
また、いかにもいかにもきっちり組まれていると見た目で分かるので、仕事を見せるという意味でも効果がある方法だと思います。ただ、隙間無く制作しないと残念なものになってしまいますので、作り手の技術が必要になります。
墨付け
製材した板の端に蟻形の墨付けをします。
まずはメスの方から墨付けします。その時オスの墨付けはまだしません。オスの墨付けはメスの加工が終わった後です。
オスの墨付けは、メスの切り込みを型にして行います。メスを先に加工する理由は多少切り損じてもオスでカバーできるからです。
写真の道具を使って墨付けします。
蟻の割り付けをします
板の端に墨付けをします。
まずはメス側から作ります。
板の厚みはオスもメスも同じにしておくと綺麗です。
板の端に厚みの線を引きます。
2本引いていますが、端から3ミリのところに切り代の線を引きそこから内に厚みの線を引きます。
切り代をとっておく理由は、蟻形を切り抜いた後エッジが立っているのいで欠け等をカバーするためです。それと蟻が少しとび出ている仕様にすることもできます。
割り付けの幅は特に決まりはないですが、枚数が多い方が強度は増します。ただ加工は困難になります。
写真は400ミリ幅でオス7枚、メス6枚にしました。蟻形のバランスはオスを小さめにしています。
オスの枚数は、見た目の印象で左右対称に見えるので奇数にしています。
蟻定規を作っておくと墨付けが楽です。蟻の角度は74度にしています。
切り抜く部分は切り間違えないように鉛筆で塗っておきます。
線の切り込み
鉛筆で墨付けした線に毛引や白引きを使い切り込み線を引きます。
この作業は特に蟻の根元の部分が重要で、しっかり繊維を切っておきます。
鋸を入れたときに切り込みがない場合、ささくれたり綺麗に仕上がりません。
鋸入れ
ようやく加工に入ります。
鋸は胴付き鋸を使います。
替え刃式のものを使っています。
胴付きの縦引き用がおすすめです。
墨線を僅かに残すくらいギリギリに鋸入れしておくと、後の作業がとても楽になります。
刃が切れないと綺麗に切れないので、真っ直ぐ挽けない場合は替え刃を交換しましょう。
鑿入れ
鑿を入れるときに切り込み線にいきなり合わせてしまうと、鑿先の形状が楔形になっているため強い力で叩き入れた際に、鑿が喰われて線をオーバーしてしまします。鑿の入りが浅いうちは1ミリほど手前からスタートします、それと写真のように予め切り落とす部分にスリットを入れておくと抜けやすくて良いです。勾配がついているのでスリットがないと詰まってしまいます。
切り抜き完了
全て切り抜きが完了しました。
端はまだ残っていますが、鋸でカットします。
綺麗に仕上がりましたね。
次にこの形を型に雄の墨付け加工をします。
またブログで紹介します。
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