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折れてしまった椅子の脚を新たに作り直して修理させていただきました【前編】

 

椅子の脚の修理のご依頼をいただきました

椅子の脚の修理を希望しているお客様より、メールにてご連絡をいただきました。

過去の修理の記事をご覧いただきご連絡いただいようです。

写真を拝見して、根本からバッキリ折れてしまっています。

実物を見ないと正確に判断できないのですが、脚を新たに作り直せばおそらく修理可能だと思います。

お客様よりいただいた写真です。

 

折れた脚はそのまま使えないので新たに作り直すことになり、それなりの修理費になるとるお客様にお伝えしました。

メーカーがすでに廃盤になっている商品で新たに買うことはできず、修理も不可能だったそうです。

お店で使用している椅子で、他に何脚も同じ椅子がある中で違う椅子を置く事ができないという理由で、どうしても直したいという事でした。

写真で見る限り修理は可能と判断して、概算のお見積もりをお伝えしました。お見積りにご納得いただいたので、シートの部分を外して、脚のみ送っていただきました。

 

修理開始

お客様より送っていただき実際に故障した部分を確認しました。

やはり繊維がちぎれるように折れてしまっていて、なくなっているパーツもあり、既存の脚を再生するのは不可能と判断しました。

新たに脚の作り直しをするという段取りで修理を開始しました。。

材質はいただいた写真では判断できなかったですが、思っていたより柔らかめの木でした。

繊維が切れるように折れてしまっているのでパーツとして修復不可能です。

 

本体側の加工

足の付け根に角度がついているので、角度を計測器で測ります。

その角度にしたがって折れた脚の部分を一旦きれいに切り落とします。

折れた脚の一部が本体側に残っています。

 

幕板の角度を整えます

計測器で測った角度に昇降盤を使って脚の根本をきれいに整えます。

残っている枘(ホゾ)もあるのですが、破損が見られたのっで一緒に切り落とします。

計測器で角度を測ります。組んだ状態の為計測器が安定しないので大体の角度とします。

 

約113度なので、90度引いて23度昇降盤の刃を傾けます。

 

この角度でまずは切断します。

一度余裕を持って少し離した位置で切断して少しずつ角度も合わしながら追い込んでいきます。

 

余裕を持って切り段々と追い込んでいきます。

 

枘穴が大きくてびっくり!ボンドを充填させて隙間を埋めているんですんね。量産品なので効率重視という事でしょうか。

うちの作り方とは全く違いますね。

 

枘の加工

一度枘を切り落としたので新たに枘を作ります。

硬めの木が良いのでメイプルで作りました。

本体と新たに制作する脚に半分ずつ入れます。

 

本体側に埋める枘穴の加工

この作業がとても重要で、一番気を使う作業です。

修理の場合組んだ状態で作業をしないといけないので、色々と工夫して作業をする必要があります。

バーツで行うのなら容易な作業も組んだ状態だと困難になります。

簡易的ですが専用ジグを作って作業を進めます。

本来の使い方ではないですが、FESTOOLDOMINO joining machinesを駆使して枘穴を作ります。

機械が安定しないので板でジグを作りクランプで固定して安定するように工夫します。

本体側なので失敗できない作業です。

機械がぶれたり直角に穴が開かなかったりすると取り返しのつかない作業です。

色んな事に注意を払って作業をします。

 

失敗せずにきれいに開ける事ができました。

開けた枘穴に埋め込みむ枘を制作、枘の半分を開けた穴に埋め込みます。

 

新しい脚の制作

新しい脚はタモ材で制作しました。

元々の脚は柔らかいため、それよりも硬くて質感の似ているタモを選びました。

少々色は明るくなりますが、それほど気にならない程度です。

左は新しく制作していく脚です。製材まで完了。右は折れた脚です。

 

枘穴を開けます

角のみを使って脚側の枘穴を開けます。

角のみで枘穴を開けます。

 

脚の形状を整えます

四角く製作した脚を元の脚の様な形状に整えていきます。

昇降板などを使いテーパーに角度を付けて加工、最終的には鉋を使い仕上げます。

鉋で形を整えます。

 

きれいに整いました。

 

お互いに開けた枘穴に製作した枘を差し込みます。

 

枘は玄能で潰して木殺ししています。ボンドを入れた時の膨張を考えて調整はきつすぎずゆるすぎずです。手の力で押し込めるくらいが良いと考えています。

 

次は組み立て、【後編】になります。こちらよりご覧ください

折れてしまった椅子の脚を新たに作り直して修理させていただきました【後編】

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