前回の記事は、机本体の組み立てについてご紹介しました。

今回は仕上げから完成までご紹介いたします。

前回の記事はこちら から。

 

メープルのワークデスクのオーダー制作　机部分の組み立て

 

本組みを終え机と袖机を綺麗に仕上げていきます

 

本組みが終わりいよいよ仕上げに入ります。仕上げは素地を綺麗に整えたり、足の長さを調整したり、家具全体を整える作業です。作業中のどうしてもついてしまうクランプで締め上げた跡や、はみ出した糊などを綺麗に修正していきます。鉋をかけ直してりサンダーでサンディングしたり、凹みが大きい場合はアイロンをかけて戻したりもします。アイロンは濡れタオルを凹んだ部分に置いてスチームアイロンを当てると修復できます。

 

面取り鉋でエッジを仕上げます

 

当工房ではテーブルや机、椅子など直接的に人は使うものに関してはしっかり面は取る様にしています。エッジが立っている場合、何か物が当たったりすると凹んだり欠けたりします。また、テーブルなど座って腕を乗せたときに角張っていると痛かったり、跡が付いたりもします。ぶつけると怪我をする恐れもあります。

 

 

綺麗に面が取れました。

 

 

電動サンダーや紙ヤスリを使い丁寧にサンディングして仕上げます

 

綺麗に整った部分を電動サンダーで丁寧に研磨していきます。

本組みの前にある程度サンディングしているので、240番でサンディングして仕上げます。

前述しましたが、ぶつけたりクランプの締め付けで凹んだ部分の修復に濡れ雑巾を当てスチームアイロンを当てると凹んだ部分が元に戻ってきます。凹んだ部分にアイロンで熱せられた蒸気が木の道管に入り蒸されることで凹んだ部分がふくらんで元に戻ってきます。凹んでるもののみに有効で、繊維が切れたり、欠けているものは修復できません。

修復した部分をさらにサンディングして整えます。

サンダーがが届かない部分は手で丁寧にさんディングします。

 

サンディングが完了してら焼印を押します

 

サンディングが終わり綺麗に整ったら完成の証の焼印を押します。

まだ塗装はしていないので完成ではないですが、オイル塗装の後に焼印を押すよりも無塗装の状態で押した方が綺麗に押せるので先に押します。オイル塗装後でも良いのですが、熱でオイルが滲み出てきます。

焼印を押す瞬間は制作のことが色々と思い出されます。お客様との打ち合わせから制作まで色々試行錯誤しながら作り上げていきます。オーダー品なので作ったことの無いものをつくります。当然今までの経験やノウハウはあります。それでも本当に出来るのかと不安に思うこともあります。特に今回オーダーはかなり複雑な作りでしたのできちんと仕上がって安心しています。最後に焼印をしっかり押せることができて嬉しく思います。

 

 

最終のオイル塗装をしていきます

 

当工房では天然素材のオイルで塗装します。工房を始めた時からずっとドイツのLivos社の塗料を使っています。

塗装する側、使う側も優しい塗料です。ウレタンのように有機溶剤が入っていないので刺激臭がなく安心して作業ができます。香りも植物性なので優しいです。主成分は亜麻仁油で他オレンジオイルなど調合されています。オイルとしては樹脂化が早い方なのでいつまでもベタベタしないので扱う面でも良いオイルです。広葉樹には少し粘性のあるアルドボスがマッチします。乾きが早いので薄め液のスパロスが重宝します。ベタついている所はこれで拭き取ります。

 

 

 

机とキャビネットを繋げて完成です。

 

今回机と袖机は一体ではなく別々で制作しました。色々理由があるのですが、1番の理由がメープル材を使用しているので一体型だと制作が困難になるためです。メープルの中でもハードメープルという特に重たい材料を使いました。一体で制作した場合かなりの重量になります。制作するにあたり取り回しがしにくく、作業効率が悪くなると思いました。そこで別々で作り最後に繋ぎ合わせるという方法にしました。

それに加え搬入先がマンションの7階です。エレベーターの入れ込みや廊下を転がしていきますので、搬入のしやすさを考慮したのも別々にした理由です。

 

 

 

包み蟻組み継ぎ、ばっちり決まりました！

 

 

塗料が乾き落ち着いてきたら納品に伺います。